自分を好きになること

自分を好きになるにはどうしたら良いか。
条件付きで好きなのは
本当に好きなこととは違う。

思い描いただけで
ワクワクするようなこと、
過去に楽しみとしてやっていたことの中に、
本当に好きなことが
隠れているかもしれない。

誰のアドバイスが欲しい訳でもない。
聴かなければならないのは
押し殺してしまった自分の思い。

そういえば以前は美術館によく行った。
自分のペースで絵画や彫刻を気ままに
見て歩くのが好きだったなぁ。

無理に批評しようなんて考えず、
感じるままに美しいものに
囲まれれば、
そこに安らぎや生きるエネルギーを
ありありと感じた。

ああもう、自分に無理に重ねた
理想の自分を捨てよう。

苦手なことは苦手なままに、
少しずつ進歩しながらも、
そこで勝負することはせず、
灰色から
空色の心持ちへ。

抽象的思考や
説明的言語の使用に
多少の不正確やいびつさ、
不器用さがあっても、
それをそれとして受け入れよう。

政治的思考に
興味ない自分を受け入れよう。
最低限バランスをとりながらも、
それらの修得を無理に
自分に強制するのは
金輪際やめにしよう。

己のエネルギーの流れるままに
あきれる程に無防備に
理想的な未来像や自分像は
無へと回帰させることにした。
決めた。

あるがままから出発しよう。
愛をもって、今日生きられることに
感謝をしながら。


　　　　　　　　　　　三四郎


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

今は何処に

いつしか今を生きることを忘れ
あるいは過去に囚われ
あるいは未来を憂い
今が眩惑される日々が続く
浅はかさに翻弄され
愛は切り捨てられた
日々は哀しく
冷笑が仮面のように貼り付く
今は何処に
私の今は何処に消えた
過去の影が私に話しかけ
未来の男に声を投げる
地下鉄は過ぎ去り
そこは乗り継ぎ駅
パリは何処に私の今
パリが遠ざかっていく


　　　　　　　　セリーヌ