フェンシング

夫が上海市内のフェンシング練習場に
見学に行き上機嫌で帰ってきた。

手術後の夫は医者には水泳をすることを
薦められていて、最初は嫌いな水泳を
やろうと思っていた。
でも、やっぱり好き嫌いのハッキリした
フランス人夫君であるから、
いくら医者の薦めといえども
そしていくらそれが健康に
良いと分かっていても、
短い人生を嫌いなことに費やすことは
しないと決心を新たにしたらしい。

フェンシングは私も好きだ。
でもフランスでは日本の剣道なみに
普及しているこのスポーツも、
東京や上海では、
決して一般的なスポーツではない。
だから、その分クラブ所属代もお高い。

しかし、見学に行き一度
ハートに火を付けられた夫は
「アルバイトを入れてでも
絶対にフェンシングに通うのだ。」
と楽しそうにのたまっている。
本当に楽しかったのは、
夫の話しぶりからも分かる。
コンビニで私のために
ビールまで買ってきて
今日の体験レッスンの話をした。

あまり楽しそうだから
妻としても、
「頑張れバイト、夫君」
と言うしかない。
まったく何のために
私が仕事を探しているのか
チミはきっちり理解しとるのかねぇ。
愛する夫君。

君、あまりにマイペースで
私は羨ましいよ。
人生楽しいでしょ。
でも、人生楽しそうな夫を
側で見ていると
私まで幸せな気分になるから、
何だかんだいって結局
夫に賛成するのだろうな。

結局は、
私の給料のほとんどは、
貯金にまわらずに、
2人のフェンシング代と
交際費に消えることに
なるのではなかろうかという
一抹の不安がよぎるのだ。

まぁ、老後の心配より今を生きるという
ことには一理も二里もあよ。
しかし夫君よ、贅沢なスポーツを
楽しみたいなら
やはり君の稼ぎを増やしてそこから
捻出しようようよ。
私の薄給の８割は君が
現在の年齢に至るまでに
貯めておかねばならなかった分を
大急ぎで貯めなきゃならんのは、
君も分かっているハズだよね。



　　　　　　　　　　　セリーヌ

中国式足裏マッサージその後

近所に何件かある
足マッサージ屋に
意を決して挑戦してみた。

一件目は１時間60元で
かなり満足なサービス。
約10分間の足湯の後、
力強そうなお姉さんが
5分ほど背中と肩のケア。
そしてその後、
本格的な足マッサージに入る。
足マッサージの時間が約1時間。

そして2件目は1時間50元と明記。
ここでは足湯（ぬる目）の後、
薄幸そうな女の人が出てきて
足のみを約1時間で
マッサージ……。

気持ちは良いが何かが違う。

サロンの環境自体が
あまり良くないせいだろうか？

外の下水の臭いが気になって寛げない。
マッサージの上手い下手の問題ではない。

すでにそれを論じるレベルではなかった。

ということで一件目の方に軍配を上げる。

10元高いが心底リラックスできたことで
満足感を得られた。
2件の足裏マッサージサロンともに、
専門にマッサージを勉強したマッサージ師達では
ないことは共通している。

肩と首が悲鳴を上げているときに常連でかかる
整骨院のおじさんのマッサージの方が
マッサージ自体は
格段に上手なことに
異論の余地はない。

しかしたまには気分転換としてエステ気分で、
足マッサージに掛かるのも悪くない。
そして今度そんな気分になったら
1時間60元の一件目の方に行くこと決定！

受付の女性も可愛いし。
女性客と男性客のバランスも良い。
給料安いがマッサージも安い。
ビバ上海！


　　　　　　　　　　　　　　　　セリーヌ